一番茶期に晴天・乾燥が続く場合や、晩霜被害後等も発生に気をつけましょう。
防除は増殖が進んでからは手遅れ。平均気温が10℃を超え産卵・幼虫が見え始めたら、殺卵・殺幼虫効果が高く残効性の長い薬剤で防除しましょう。
一番茶摘採後5月上中旬頃が発生のピークになりますので、発生がみられる園では刈番茶摘採後早目に防除しましょう。天敵(ケナガカブリダニ等)の働きが活発になる時期であるため天敵に影響の少ない薬剤を選びましょう。なお、発生は天敵の活動と梅雨の影響で5月下旬以降には自然に減少しますので5月中・下旬以降の防除は必要ありません。
越冬密度が高いと越冬後の発生にも影響。秋は11月下旬頃まで発生し、主に雌成虫で越冬 します。鹿児島県では冬期でも休眠せず少しずつ増加し、越冬密度がさらに高まることがあります。
秋期ダニ防除の基本的な考え方
1) 秋整枝後の11月頃に成虫・幼若虫・卵のいずれのステージにも効く殺ダニ剤で防除しましょう。
2) この時期は摘採面、裾部など葉層の全体に分布していますので、葉裏や裾部に薬液が十分かかるように散布しましょう。
3) 発生が多い場合や、以降の気温が高く発生が続く場合は、越冬期の12月下旬~2月頃にマシン油剤による補完防除が必要です。
【 生態と被害 】
春季及び秋季に発生。乾燥した天候が続くと多発。更新園では夏季にも多発。
葉裏に寄生して吸汁加害。新芽は黄褐色に変色、褐変落葉。収量・品質に影響する重要害虫。
【 生物的防除 】
本虫に対する天敵 … ケナガカブリダニ、ハダニアザミウマ、ハダニタマバエ、 ハネカクシの1種、コブモチナガヒシダニ等。ケナガカブリダニが最も有力。
ケナガカブリダニは5~6月及び9~10月に最も活躍。
年間防除体系はケナガカブリダニに影響が小さい薬剤を選定する。
【 防除時期と注意点】
越冬後(2月下旬~3月中旬)
一番茶/萌芽~1葉期
一番茶/摘採後
三番茶/摘採後
秋整枝後~越冬前(10月中旬~11月下旬)
越冬期(12月下旬~2月上旬)
更新園(7〜8月)
春季は産卵数増加前の平均気温が10℃を超える頃(2月下旬~3月中旬)、秋季は秋整枝直後並びに11月中旬~下旬の防除が重要です。
散布は葉裏へのかけむらがないように注意。
薬剤抵抗性を考慮し、同一系統の薬剤の使用は年1回とする。
一番茶萌芽~1葉期の散布は極力避け、発生が多くやむを得ない場合に限る。
マシン油乳剤は茶樹が耐寒性を獲得した後に使用する。