1. 正しい農薬の使い方

ラベルをよく読み、適切に使おう

「農薬を使用する際には、いくつかの注意点があるよね。ダコニール1000を例に農薬を正しく使うためのポイントをみてみよう。」
ポイント1:ラベルをよく読み記載通りに使用する使用できる作物と対象となる病害の種類を確認する。①適用作物と適用病害 ②希釈倍数と使用液量 ③使用時期と使用回数 ④注意事項 使用する前に、製品ラベルをよく読んで正しく使おう。農薬取締法により、使用基準(対象作物、希釈倍数、使用液量、使用時期、使用回数)をしっかり守ることが義務付けられているんだ!まず確認するのは、①適用作物と適用病害 使用できる作物と対象となる病害の種類を確認する。作物の名前が似ていても、収穫するときの大きさや部位によって別の作物となる場合もあるから注意が必要だ!(不明な場合は指導機関等に確認しましょう。)
つぎに②希釈倍数と使用液量 薬量と希釈水量を正確に計量して散布液を調製するんだ。例えば、ダコニール1000の希釈倍数1000倍液(500ℓ)とは、ダコニール1000 500㎖1本を水に加えて500ℓとし、十分に攪拌して調製するってことだね。散布する面積に合わせて散布液量を調整する!さらに③使用時期と使用回数 “ 使用時期”とは使用できる収穫前の日数など。“本剤の使用回数”はダコニール1000の使用できる回数、“TPNを含む農薬の総使用回数”とは有効成分にTPNを含む他の剤型や混合剤も合わせた総使用回数の制限をいうんだ。最後は④注意事項。効果を安定させたり、薬害を回避するための注意、さらにヒトへの安全性、環境や水産動植物に対する影響、保管や取扱いに関して注意すべき事項などが書かれているんだ。
ポイント2:適切な保護具を正しく着用する。ダコニール1000の製品ラベルの“安全使用上の注意”をよく読んで、適切な保護具を着用しよう。農薬を使用する際は、薬剤を吸い込んだり、浴びたりしないよう、適切な保護具を着用してね。 農薬用マスク:粉塵・ミスト用の使い捨て式防塵マスク。保護メガネ:曇り止め加工されたゴーグル。手袋・不浸透性防除衣:表面に付着した薬液が裏面に染み込まない素材で作られたフード付き長袖の上着と長ズボン。長靴:ズボンの裾を長靴にかぶせる。作業が終わったら、身体を洗い、洗顔・うがいをして、衣服をかえましょう。  
ポイント3:散布液の周囲への飛散を防止する。散布の際には、風向きや天候をみて、周囲の農作物や住宅などに飛散しないように注意しよう!異なる作物を栽培している混植園では特に注意!近隣の農家や周辺住民の方々にも散布日を知らせるなど、意見交換をしましょう。飛散に注意!作物にノズルを近づけ適正な圧力で散布。
ポイント4:散布液の残りや洗浄液は適正に処理し、空容器はきちんと破棄する。散布液は余らせないよう使い切ること。散布器具やタンク、ホースはしっかり洗浄する!洗浄水は河川などに流入しないよう適切に処理しよう。作物のそばや住宅地の周辺での洗浄作業はさけよう。容器は、3回以上洗浄し、洗浄水は散布機タンクの中に入れ、使い切る。空容器は、産業廃棄物処理業者に処理を依頼したり、地域の共同回収システムに出すなど正しく破棄してね。野焼きはダメだよ!
ポイント5:記録をつける。使用した年月日、処理方法(希釈倍数、散布液量)、飛散防止対策などの使用記録をきちんと残す習慣をつけよう!