病害防除 虎の巻 「べと病・褐斑病防除」
べと病
- 葉に淡褐色の小斑点を生じる。後に葉脈に区切られた多角形黄褐色病斑を形成。多発すると葉全体が黄褐色になり、枯死する。
- 多湿の露地・施設栽培で多発、被害が大きい
べと病 |
発病適温
- 15~28℃で感染
- 20℃〜25℃が最適
- 施設栽培では周年発生
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褐斑病
- 葉表面に淡褐色の5〜8mmの丸い小斑点を生じる。
後に拡大し1〜3cmの不整形灰褐色の同心円紋病斑を形成。
- 高温多湿の施設栽培で発生が多い。
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べと病 |
褐斑病 |
発病適温 |
- 15~28℃で感染
- 20℃〜25℃が最適
- 施設栽培では周年発生
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べと病・褐斑病の防除が難しい理由
① 多発すると症状の見分けが付きにくい
葉脈に囲まれた多角形黄褐色病斑が融合
湿度が高いと葉裏に黒褐色のかびを生じる
淡褐色〜灰褐色の不整形の同心円紋病斑
病斑が拡大すると病斑中央部が破れやすい
似た病徴で混発することがある ➡︎ 両方の病害を考慮し薬剤を選定する必要がある
② 使用できる薬剤に注意が必要
薬剤耐性が発達しやすい。(特に褐斑病)
薬剤耐性菌にも効果のある薬剤を使用することが重要。
③ 様々な病害が同時に発生する
作期が長く、様々な病気が同時に発生する。
同時防除が重要。
④ 病気が急速に進展しやすい
湿度が高いと病気が急速に進展し防除困難となる。
予防的防除が重要。
写真原図 木曽 皓
べと病・褐斑病防除のポイントは?
- ① ハウス栽培では十分な換気と灌水管理で、高温多湿を防止する
- ② 窒素過多は耐病性を低下させ、過繁茂状態となることにより病原菌の蔓延を助長するため窒素肥料の過多を防ぐとともに、リン酸、カリが不足しないよう適正に肥培管理する
- ③下葉の老化葉や被害葉はできるだけ取り除き、二次感染源とならないように努める。
- ④生育後期になると病勢の進展が速くなるため、農薬散布はダコニール1000を活用して発病初期の予防に重点をおく
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