きゅうりの初期病害図鑑 圃場確認のポイント




きゅうりの病害図鑑

<主要病害の発生しやすい条件と初期病徴写真>

病害防除のポイント

各病害はそれぞれ発生しやすい環境条件があります。そのような条件になったら、下の表をもとに各部位をよく観察しましょう。病徴が進展してしまうと、まん延を抑えることが困難になります。病害の発生前もしくは写真(ここを観察!)のような初期病徴が見られたらすぐに防除し、病害のまん延を防ぎましょう。

褐斑病 ダコニール1000登録あり こういう時は危険!高温28℃ 多湿 施設栽培 ここを観察!部位:葉 初発:表面に淡褐色の円い小斑点 進展時の症状!5~20mmに広がって、不整形の灰褐色〜淡褐色の病斑になる 多湿時に黒褐色のかびを生じる
べと病 ダコニール1000登録あり こういう時は危険!高温20~25℃ 多湿 露地・施設 ここを観察!部位:葉 初発:水浸状、黄色の小斑点 進展時の症状!葉脈に区切られた多角形で黄褐色の病斑となる 多湿時は葉裏に紫黒色のかびを生じる
うどんこ病 ダコニール1000登録あり こういう時は危険!高温25℃付近 乾燥 施設栽培 ここを観察!部位:葉、茎 初発:葉や茎の表面にうどん粉を振りかけたような白斑 進展時の症状!葉は白色〜灰色となり枯れる
灰色かび病 ダコニール1000登録あり こういう時は危険!高温15~25℃ 多湿 施設栽培 ここを観察!部位:果実/落花部 葉/落花の付着部 初発:果実/病斑上に灰色〜淡褐色のかび 葉/淡褐色〜灰褐色の円形病斑 進展時の症状! 果実:淡褐色に腐敗し落果 葉:灰色〜淡褐色の粉状のかびを生じる
炭疽病 ダコニール1000登録あり こういう時は危険!高温23℃ 降雨 露地栽培 ここを観察!部位:葉、茎、果実 初発:葉/淡褐色〜黄褐色の円形大型病斑 茎・果実/黄褐色のくぼんだ病斑 進展時の症状! 葉:破れやすくなって穴が開く 茎・果実:病斑状に鮭肉色の粘着物をつくる
菌核病 こういう時は危険!高温18~20℃付近 多湿 施設栽培 ここを観察!部位:果実/落花部 茎/葉柄の付け根 初発:水浸状に軟化腐敗 進展時の症状!白色、綿状のかびを密生 やがて黒色で3〜10mmの菌核となる果実は軟らかくなり腐る
つる枯病 ダコニール1000登録あり こういう時は危険!高温20~24℃ 多湿 露地・施設 ここを観察!部位:茎/地裁部、果実 初発:茎/淡褐色で水浸状の病斑を生じて軟化 果実/先端がやや細くなって軟化 進展時の症状! 茎: 灰白色の病斑となり、萎れて枯死 果実: 内部に褐色の心腐れ症状 いずれも病斑状に黒色小粒点を生じる
モザイク病 こういう時は危険!媒介虫(アブラムシ)の増加 ここを観察!部位:新葉 初発:葉脈透化や退緑小斑点を生じる 進展時の症状!モザイク、えそ症状、黄化小斑点など多様な症状 果実にもモザイクや奇形を起こす
黄化えそ病 こういう時は危険!媒介虫(アザミウマ)の増加 ここを観察!部位:新葉 初発:生長点付近の若い葉に葉脈透化 進展時の症状! モザイク、えそ斑点、葉脈えそ、黄化、退緑斑点など様々な症状を発現し、同時に著しい生育抑制 果実:時にモザイク斑を生ずる

*使用している写真及びイラスト等の無断転載を禁止します。写真原図 木曽 皓