
- きゅうりは要防除期間が長く、病気が発病・まん延してしまうと数日毎に散布が必要となってしまいます。
- まん延してからの防除は、コスト・労力の面で大きな負担になるとともに、耐性菌の発現リスクにもつながります。
- 発病前から体系防除で発病・まん延を抑え、トータルでの散布回数を削減。省力・コスト削減を目指しましょう。
体系防除の考え方とポイント
- 定期的な予防散布
- 発生前・初期からの予防散布で病気の立ち上がりをたたき感染圧を上げない
- 以降、定期的な予防散布を継続
- 登録病害の多い薬剤で主要病害を同時防除
- ダコニール1000や銅剤等の登録病害の多い薬剤で主要病害をカバー
- 以降に発生が見込まれる病気まで同時防除しておく
- 予防散布の「網の目」をすり抜けた病気を専門剤で防除
- 発病した場合は専門剤に変更。発生が治まったら予防散布に戻す
- 菌核病など、予防剤で抑えられない病気はポイントとなる時期に専門剤を散布
- 状況に応じた散布調整
- 散布間隔が長過ぎると、取りこぼしたり新たに感染した病原菌が増殖し、まん延リスクとなる
- 気象条件・感染圧・きゅうりの生育状況(展葉スピード)などに応じて散布間隔の調整、浸透移行性・浸達性のある専門剤への切り替えを行う

ココもポイント!
- 主要病害(うどんこ病・べと病・褐斑病)に対して耐病性のあるきゅうりの品種が増えているが、品種だけに頼った管理はリスクあり
- 耕種的防除と併せて、薬剤防除・適正な肥培管理・生物的防除を活用することも重要


適正な肥培管理・耕種的防除等について


- 多くの病気に高い効果(=同時防除可能)
- 散布回数が12回までに拡大!長期栽培でも定期的な使用が可能
- 有効成分TPNはこれまで薬剤耐性菌が問題となった報告なし
- 天敵等に影響が少ない
発生する病気や天候・生育状況等に応じた防除が必要です。
ダコニール1000を12回連用するのではなく、
他殺菌剤と組合せて体系防除しましょう。
【参考】体系防除の一例

以下は、この通りに散布することを推奨しているのではなく、あくまでも体系を検討する上での一例です。各地の実態に合った体系・薬剤・防除適期(間隔)の参考としてご活用下さい。


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