ダコニール倶楽部は、株式会社エス・ディー・エスバイオテックが 事務局を務めるダコニール普及会が運営するサイトです
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発生しやすい場所を観察

地上部の病害

ねぎは作期が長く、地上部に様々な病害が同時に発生します。

4 - 5月
  • やや低温の成育初期(4~5月)はボトリティス葉枯症が発生し、梅雨から盛夏期になるとべと病・さび病・黒斑病など複数の病害が発生します。
6 - 9月
  • 高温期にはさび病が減り、黒斑病・葉枯病などが主となり、秋雨期に急増します。
  • 黒斑病は作期を通じて発生しますが、特に8~9月頃から目立ちます。
  • 高温時に播種する作型は苗立枯病(リゾクトニア菌)も注意が必要です。
  • また、6~9月は高温時に発生しやすい土壌病害の軟腐病や白絹病も多くなります。
10 - 3月
  • 秋~冬にかけて降雨が多いと12~4月の収穫物に小菌核腐敗病が発生します。
  • 菜種梅雨の頃(3月)、べと病が発生します。
  • 黒斑病は春と秋に発生が増え、共に生育後半に発生が目立ちます。

毎年発生する場所や部位を特に注意して観察

  • 上記を参考に育苗期から予防散布を開始。以降、ネギの生育状況、天候、病気の発生状況等に合わせて散布隔調整、浸透移行性・浸達性のある専門剤への切り替え等を考慮しながら防除を継続。
  • ねぎは温暖多湿の時期に発生する病気が多く、特に梅雨時期・秋雨時期に重点的に予防することがポイント!
  • 主要病害の多くをしっかり予防できるダコニール1000※ 中心の防除体系が有効。
    ※ 散布での適用病害:べと病・さび病・黒斑病・葉枯病・小菌核腐敗病

土壌病害にも注意

作型・気温・湿度によって、土壌病害が問題となる地域があります。
土壌病害は適用のある薬剤が限られるため、発生すると防除が困難です。

苗立枯病(使用方法:土壌灌注)

発生条件

  • 夏季の高温期に多湿条件で発生する。
  • 水田転換畑などでの発生も多い。

詳細

  • 枝全体に立ち枯れ症状を起こす。
  • 本葉1~2枚までの頃に発病し、地際部が青白く変わり軟化して細くくびれ、倒伏して枯死する。株元にカビが見られる。
黒腐菌病

発生条件

  • 比較的冷涼~寒冷期に発病する。
  • 乾燥土での発生が多い。

詳細

  • 株全体に病徴が現れる。
  • 葉先が黄白色になり、葉全体が枯れこみ、苗が萎凋する。やがて生育が停止し、株は枯死する。地際部には黒色のゴマ粒状の菌核を形成する。
軟腐病

発生条件

  • 気温が30~35℃で降雨の続く場合に発生が多い。
  • 多湿土壌で発病が著しい。

詳細

  • 茎葉に発生する。
  • 地際部では葉身に水浸状斑を生じ、やがて内部が腐敗し外葉から次々と軟化腐敗する。腐敗部は特有の悪臭を発する。

対策

  • 土壌病害の発生が懸念される圃場では、作付け前の土壌消毒や、育苗期からの濯注処理を含め、適用のある剤での予防を心掛ける。
  • 発生した圃場では、発病株の抜き取り(感染源除去)や残渣処理をする。
  • 土壌水分量が多いと発病しやすいため、圃場の排水性を改善する。
  • 各病害の発生しやすい時期を避けた定植時期・作型の検討も有効。
    ※黒腐れ:極寒(12~2月)の定植で発病多、苗立病、軟腐:夏季高温時に発病多
  • 被害が大きい圃場は、ネギの連作を避け、他植物との輪作も検討する。