きゅうりの試験データ

きゅうりの試験データ

病害防除のポイント

病害防除の参考になるデータを抽出!


※各試験データのA剤、B剤・・・の表記は、試験ごとに設定しております。試験ごとに薬剤は異なりますのでご注意ください。

試験① きゅうりの適用病害に対するダコニール1000の防除効果
    日本植物防疫協会 新農薬実用化試験成績(散布)

試験① きゅうりの適用病害に対するダコニール1000の防除効果
    日本植物防疫協会 新農薬実用化試験成績(散布)

きゅうりの適用病害に対するダコニール1000の防除効果 日本植物防疫協会 新農薬実用化試験成績(散布) きゅうりの適用病害に対するダコニール1000の防除効果 日本植物防疫協会 新農薬実用化試験成績(散布)

ダコニール1000は主要病害である褐斑病、べと病、うどんこ病を中心に、炭疽病、灰色かび病、黒星病、苗立枯病(リゾクトニア菌)*と、幅広い病害に登録を有しています。(*苗立枯病(リゾクトニア菌)は土壌灌注として)これらの病害には日本植物防疫協会の委託試験でも十分な効果が示されており、ダコニール1000の散布で、複数病害に対して発生リスクが低減できます。

試験② 主要病害に対するダコニール1000の防除効果
    褐斑病・べと病・うどんこ病

試験② 主要病害に対するダコニール1000の防除効果
    褐斑病・べと病・うどんこ病

主要病害に対するダコニール1000の防除効果 褐斑病・べと病・うどんこ病

B剤にべと病、うどんこ病の耐性菌の発生が確認されている圃場での試験

B剤にべと病、うどんこ病の耐性菌の発生が確認されている圃場での試験

※C剤はべと病に登録なし、A剤、D剤はうどんこ病に登録なし : 2022年3月現在

※C剤はべと病に登録なし、A剤、D剤はうどんこ病に登録なし : 2022年3月現在

品種    : 京しずく
発生状況  : 褐斑病/極少、べと病/甚、うどんこ病/甚
散布    : 10月7日から21日まで、7日間隔で計3回処理
初発確認  : 褐斑病/10月13日、べと病/10月5日、うどんこ病/10月5日
調査    : 11月5日(処理開始35日後)
防除価   :各区中央部10株の第4~18本葉について、発病度を調査し算出
試験場所 : (株)エス・ディー・エス バイオテック 社内試験(2020年)


試験③ 散布間隔別の複数病害同時防除効果
    褐斑病・べと病・うどんこ病

試験③ 散布間隔別の複数病害同時防除効果
    褐斑病・べと病・うどんこ病

散布間隔別の複数病害同時防除効果 褐斑病・べと病・うどんこ病

試験①のとおり、ダコニール1000は褐斑病、うどんこ病にも卓効を示しますが、本試験では特に14日間隔処理で両病害を抑えきれない結果となりました。褐斑病は潜伏期間が長くすでに感染していたこと、うどんこ病は発病後の散布であり、病勢進展も急激であったことから、①散布遅れ(発病・感染後)、②散布間隔が長いので、無散布の展開葉を予防できなかったことが原因と考えられます。ダコニール1000は予防散布で高い効果を発揮し、病気の発生前〜発生初期からの散布、作物の生育スピードに合わせた散布間隔が重要です。

ダコニール1000は病気の発生や作物の生育スピードに合わせた散布タイミング(開始時期・散布間隔)が重要! ダコニール1000 7日間隔 ダコニール1000 10日間隔 無処理

品種    : 京しずく
発生状況  : 褐斑病/中、べと病/多、うどんこ病/甚
散布    : 7日間隔処理/10月1日、8日、16日、23日、30日、10日間隔処理/10月1日、11日、21日、31日
      14日間隔処理/10月1日、16日、30日
初発確認  : 褐斑病/10月中旬、べと病/9月下旬、うどんこ病/9月25日
調査    : 11月5日(処理開始35日後)
発病度  : 全株、第8本葉より上12本葉の発病度を調査
試験場所  : (株)エス・ディー・エス バイオテック 社内試験(2019年)

褐斑病、べと病については、病害発生前~初発確認直後の7日または10日間隔処理で、特に高い防除効果が認められました。病害発生・進展程度に応じて7日~10日間隔の継続した「予防散布」が各病害の同時防除に有効です。感染圧が高いと想定される圃場においては7日間隔処理が推奨されます。

試験④ 薬剤耐性菌に対するダコニール1000の防除効果
    褐斑病

試験④ 薬剤耐性菌に対するダコニール1000の防除効果
    褐斑病

薬剤耐性菌に対するダコニール1000の防除効果

各剤の散布10日後に薬剤耐性菌株を接種し、1週間後の発病度を調査

各剤の散布10日後に薬剤耐性菌株を接種し、1週間後の発病度を調査

品種   : ハイグリーン21
試験方法 : 所定濃度に希釈した薬剤をハンドスプレー散布。10日後に胞子懸濁液を接種。
       湿室内に25℃、約30時間保持後、ガラス温室にて管理
試験菌株 : 県内から採集した薬剤耐性菌2菌株 (MG3009、MG3010)
防除価  : 接種1週間後に各株4葉について発病度を調査し算出
評価方法 : 防除価85以上の薬剤を残効があるものと判断
試験場所 : 宮城県農業・園芸総合研究所
      (出典:北日本病虫研報(63)57-59(2012))

ダコニール1000は他剤に薬剤耐性を示す褐斑病菌にも高い予防効果を示します。耐性菌の発生が懸念される圃場でもローテーション散布の一剤として有効です。ダコニール1000は、散布10日後の胞子懸濁液接種でもそれぞれの菌株に90以上の防除価を示し、本試験では少なくとも10日間の残効が認められました。

試験⑤ 薬剤耐性菌に対するダコニール1000の防除効果
    べと病、うどんこ病

試験⑤ 薬剤耐性菌に対するダコニール1000の防除効果
    べと病、うどんこ病

薬剤耐性菌に対するダコニール1000の防除効果

べと病、うどんこ病のA剤耐性菌発生が確認されている圃場で
初発確認直後から7日間隔で定期的に処理(写真は4回散布5日後)

べと病、うどんこ病のA剤耐性菌発生が確認されている圃場で
初発確認直後から7日間隔で定期的に処理(写真は4回散布5日後)

ダコニール1000 A剤 無処理

品種   : 京しずく
発生状況 : べと病/甚、うどんこ病/甚、
散布   : 10月7日から11月18日まで、7日間隔で計7回処理
初発確認 : べと病/10月5日、うどんこ病/10月5日
試験場所 : (株)エス・ディー・エス バイオテック 社内試験(2020年)

本試験でも、他剤に耐性が確認されている菌(べと病、うどんこ病)に対して高い防除効果を示しました。耐性菌が懸念される地域でも、ダコニール1000を病害発生前(栽培初期)から処理することで安定した防除効果を得ることができます。ダコニール1000の有効成分TPNは世界で50年以上使用されていますが、耐性菌が問題となった報告が無く、リスクは極めて低いと考えます。

試験⑥ ダコニール1000のスワルスキーカブリダニに対する影響

試験⑥ ダコニール1000のスワルスキーカブリダニに対する影響

ダコニール1000のスワルスキーカブリダニに対する影響

スワルスキーカブリダニ放飼前日又は放飼7日後にダコニール1000を散布し、影響を確認

スワルスキーカブリダニ放飼前日又は放飼7日後にダコニール1000を散布し、影響を確認

ダコニール1000のスワルスキーカブリダニに対する影響 スワルスキーカブリダニ放飼前日又は放飼7日後にダコニール1000を散布し、影響を確認

品種    : エクセレント節成2号
放飼    : 3月9日に、1株当たり約100頭相当量を葉上放飼
散布    : それぞれ動力散布機を用いて十分量散布
       ダコニール1000は1000倍、散布日は表を参照
調査    : 3月12日、3月16日、3月19日、3月23日
       1株あたり放飼葉とその上下位葉の計3葉について1葉あたりの生息数を調査
試験場所  : 宮崎県総合農業試験場内ハウス
       (出典:九州病害虫防除推進協議会 H24年度野菜作(春夏作)試験成績)

放飼1日前散布、7日後散布いずれにおいても、水道水および無処理区と同様に定着及び増殖していることから、ダコニール1000の影響は無かったことが確認されました。ダコニール1000はスワルスキーカブリダニ放飼圃場においても、放飼前後の使用が可能です。

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